トンボ玉とは

トンボ玉とは穴のあいたガラス玉で、同質のガラスで作ったいろいろな模様のパーツを象嵌(ぞうがん)した玉のことをいいます。
およそ三千数百年前に、地中海東部の地域で生まれて世界中にひろがっていきました。
日本へは、シルクロードを経て古墳時代に伝来しました。平安時代に一度途絶えましたが、江戸時代に長崎経由でオランダから再び技術が伝わり、大阪で盛んに製作され、「玉造」という地名が現在も残っています。

藤村トンボ玉工房とは

目にもあやな美しい模様と深い色彩。
古来のトンボ玉を再現するため、最も苦心しているのが色ガラス作りです。
当工房では、クリスタルガラスを原料にし、色ガラスも800度以上の炭火で各種金属の酸化物をまぜて発色させた独自のものです。ガラスの持つ透明感を捨て、模様の存在感を際立たせる色作りに欠かせないのが、ガラスを溶かす「炎」です。
最近は、トンボ玉づくりというとバーナーでガラスを溶かし、加工する場面が紹介されていますが、当工房では江戸時代と同様、窯の炭火を使ってトンボ玉をつくっています一定の温度を保てるバーナーと違い、窯の炎の強弱のリズムが、陶芸の窯変に通じる「計算どおりに出来上がらない」手仕事の奥深さ、面白さを感じさせてくれます。
現在は、先代・故藤村英雄の意志を継ぎ、唯一の弟子である2代目藤村眞澄を中心に、3代目にあたる孫の藤村敏樹・広樹・茂樹兄弟が次代の担い手として70年以上にわたるいにしえの技法を守り続けています。
よく、お客様より「教室はやらないのですか?」とご要望を頂くことがあるのですが、色ガラス作りや、玉に埋め込む模様のパーツ作りなど手仕事ゆえに手間もかかり、教室を開催する時間的なゆとりがつくれないのが現状です。